ハウステンボスが採ったランチェスター戦略の内容とは
“長崎県の佐世保市にあるハウステンボスは、2010年まで長らく低迷が続いていました。どん底に陥っていたハウステンボスですが、HISを創業した澤田秀雄さんが再建を手がけると、それまでの赤字が嘘のように黒字へと転換しました。澤田さんはランチェスター戦略を駆使し、ハウステンボスを再建させたのです。ハウステンボス再建の鍵を握るランチェスター戦略の具体的な内容について紹介します。
大手との競合を回避して新しい価値を生み出す
ディズニーランドやUSJといった大手のテーマパークとまともに競合していては、赤字が続く弱者のハウステンボスに勝ち目はありません。そこでランチェスター戦略の基本となる、他との差異化を図ります。今までのオランダがメインコンセプトのテーマパークとしてアピールしても、残念ながら集客は期待できません。ですのでテーマパークとしてではなく、観光都市化を目指して再建を始めました。
ハウステンボスには、思わず目を奪われる美しいお花畑や運河などがあります。これらの光景は、日本でなかなか見られません。これに最先端の都市機能が加われば、観光はもちろんビジネスの観点からも注目を集められます。観光都市化を推進することで、独自の市場を開拓しました。
このランチェスター戦略に基づいた思い切った発想転換による明確な差異化が功を奏したのです。
分散していた資源を一点に集める
赤字続きになるほど経営資源に乏しかったハウステンボスですが、資源を一点に集めたことで売り上げが上向きました。それまで分散していたハウステンボスのテナントを、一点に集めて豪華に見せたのです。テナントを集めてしまえば、空き店舗はなくなります。人のいるところに人は集まりますから、資源を一点に集めることの効果は決して小さくありません。
一点集中で勝負に出るランチェスター戦略により、ハウステンボスはかつてないほどの活気を見せたのです。
顧客との距離を詰める
顧客との距離を詰めて接近戦に持ち込むのも、ランチェスター戦略の1つです。顧客あっての事業ですから、顧客との距離が遠くては成功しません。顧客に好かれる親しみやすいスタッフを育てるべく、澤田さんはいくつかの基本方針を示します。掃除の徹底や元気なあいさつなどがそうです。どれも基本的なことですが、これができないことには顧客との距離は縮まりません。
こうした顧客との距離を縮める基本方針を示した結果、どうすれば顧客が笑ってくれるのかを、スタッフは真剣に考えるようになりました。顧客がスタッフに好印象を抱くようになったのは言うまでもありません。それがリピーターの増加につながり、ハウステンボスの売上は回復しました。
まとめ
ハウステンボス再建の裏側には、数々のランチェスター戦略がありました。赤字続きだった弱者のハウステンボスは、こうして売上を回復させたのです。ランチェスター戦略の
有効性がよくわかるケーススタディです。”
https://news.livedoor.com/article/detail/14936242/